【はじめしゃちょー未来の自転車】とデザインについて述べてみる

未来的デザインについて

まず本題に入る前に未来のデザインについて少し触れて見たいと思います。というのは、たいていの場合、何らかの製品に対して『未来の』から始まる場合、その製品の『機能』に限らず『デザイン』に対して形容されていることが多いからです。

Iphoneや、スポーツカーなど、たくさんの『未来的デザイン』は既知だと思いますが、未来的なデザインにはいくつか共通している点が見受けられます。いくつか述べて見ましょう。

(1)流線型が多い

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流線型は未来都市の鉄板ですよね。実は流線型デザインは単にかっこいいだけではなくて、新幹線とかでは風を切り裂き風力による抵抗を下げる役割がありますよね。

自然の木や川の流れも流線型であり、実は非常に自然的なデザインであると言えます。

アントニオ・ガウディという建築家も自然の原理や形をそのまま建築に応用した結果、カサ・バトリョサグラダ・ファミリアと言った名作を創造するに至ったのも有名な話です。

未来的=流線型=自然的な形、なかなか面白い解釈ではないでしょうか?

 

(2)シンプルでコンパクトである

Iphone&Ipad

これも鉄板。

複雑な形がかっこいい。という時代もありましたが、大量生産大量消費を否定するように、シンプルイズベストという言葉や、ミニマリズムという生き方が社会に浸透する動きを強めるが如く、コンパクトデザインが愛される時代になりました。

持ち運び便利、必要十分な機能を果たすのであれば、その形態はシンプルの方がかっこいいという認識が生まれたんでしょうね。

代表的な例がIphoneでしょう、必要十分な機能を持っていればデザインもシンプルになっていく、という規格製品への価値観を投影した素晴らしいコンパクトデザインですよね。

(3)パーソナラライズされている

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これは完全に私個人の意見ですが、消費文化などを筆頭に、今後社会はより個人的趣向に合わせたダイナミックな変化を要求されていくと考えられます。

大衆に向けてデザインを統一し、それが文化の第一線であるようなマーケティング手法は時代遅れです。

今後は日本に限らず、世界各地で個人個人の生き方や価値観にあったデザインの選択が進んでいくと思われます。

はじめしゃちょーの『未来の自転車』についてデザインの観点から述べてみる

ここまで『未来っぽい』デザインについて私なりの解釈で説明しましたが、大まか正しいのではないかと思います。

特に規格製品として実現することが難しいと考えられる流線型のデザインはまさしく『未来っぽい演出』をしてくれますよね

ここで、今回の記事の本来の目的である『はじめしゃちょー』の未来のデザインについて考えてみましょう。

まずは動画を引用させていただきます(ありがとうはじめしゃちょー)

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 確かに未来のデザイン!

この自転車はveloart intelligence様(veloart intelligence)が販売しているVelomibile(ベロモービル)という種類の軽車両のようです。

値段はおよそ100万円で、動画の中でも『100万円企画』として取り上げられていました。一台を制作するためにおよそ2ヶ月かかるということです。

かっこいいですよね。

 確かにここまで述べてきた1)流線型のデザイン、2)コンパクトかつシンプル、3)パーソナライズの条件をすべて満たしております。

機能も優秀で時速80kmほど出るらしく、ライトも完備されており、操縦席はパーソナライズされているという便利な乗り物です。

ですが、この車体と非常に似ているデザインはもう90年前に存在してたんですよね。

ここからが本題です。

Velomobileについて

実はベロモービルという軽車両が誕生したのは、今から90年ほど前のヨーロッパのようです。当時は機械産業が世界各地に広がり、産業資本主義の流れが歴史上地球に強く根付いた時期です。

当時の発明家はアイデアとデザインと機械の融合を模索しており、多くの歴史的発明が生まれた時代であるともみて取れます。

ベロモービルは、完成した直後は注目を集めていたようですが、車という燃料による動力機によって代替され、衰退したようです。当時は完全に機能崇拝の時代で、人間がわざわざ体を動かさずとも動く乗り物にみんなが惹かれたようですね。

しかし、近年、地球環境との関係からベロモービルが見直されてきてるようです。

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例えばこの動画などでも、ベロモービルが地球環境に優しく、健康にいいことを前面に押してベロモービルの宣伝をしていますね。

確かに、燃料なしでスピードが出て、さらには健康的であると考えるとこの車はコンパクトシティ化が進む今後のまちづくりやコミュニティデザインには適しているように思えます。

さらにはこの動画でもベロモービルに乗っている感じが伝わってきてみていてワクワクしますね。

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天才発明家バックミンスターフラーも!?

さらにこれと似たようなデザインは、戦前から活躍していたアメリカの天才発明家、バックミンスターフラーも生み出していました。

それこそが、ダイマキシオンカーです。

次に出す動画はWall Atreet Journalで、彼の発明品(Dymaxion car)が取り上げられた際のものです。これも引用させていただきます。

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どうでしょうか。ちょっと違いますけど、デザインとしての共通点がいくつかあることに気づきましたか?

まずはタイヤが三つしかないということ。必要最低限の昨日で機能をみたいしていること。など色々とあると思います。

実はこの発明家、本当の天才でこの車以外にも多くの分野で結果と影響を残しています。日本ではあまり聞かない名前なのが残念ですね。

これはベロモービルとは違い、燃料で動く『車』であり、同じく最初は注目を浴びたものの、死亡事故を引き起こし、三輪自動車の運転制御が難しいことを証明したことで知られております。

最後に

日本では一般的な自動車が好まれており、ベロモービルのようなコンパクトカーは広まっておりませんね。しかし、はじめしゃちょーのように有名なお方が広げていくことで、我々の生活を取り巻く道具としていつか受け入られていくのではないでしょうか。

三輪の自動車は実はスピードがかなり出るという点で一定の評価がありますが、躯体を大きくしすぎると制御しづらくなるので、ベロモービルぐらいの大きさがちょうどいいのでしょう。

しかし、常に新しいことやものとの発見に恵まれているはじめしゃちょー、今回はいいものを見つけ出しましたね!この新規性は見習わないといけませんね。

さすが、日本一のYoutuber...