アートとAIに関する『Ted Talks』を鑑賞してみる~ Thinking the correlation between AI&ART

『AI』と『Art』の関係性についての理解を深めたい

Artificial Intelligene(人工知能)とArt(芸術)は一見すると全く別に思えます。その理由は、人工的な知能が持つ論理的、演繹的思考力と、Artを生み出すための人間的な感情に基づく創造力や直感力などが全くの別物であると考えられるからです。

しかし、世界では現在『Art』と『AI』を同じくくりに捉えて、人間性への理解とともに人工知能の発展を目指している潮流があります。

特にTEDでは『Art』と『AI』についてのプレゼンテーションを提供しているその道の第一人者が多くみられます。

今日は、『Ted Talks』の中でも Art×AIに注目したプレゼンテーションを探してみたので、感想とともにここに載せたいと思います。 

 

How we can teach computers to make sence of emotions

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=機械と人間の接点=

このプレゼンテーションは世界的企業IBMのリサーチャー、デザイナーでもあり同時にアーティストでもあるRaphael Ararさんが登壇しています。いかにしてAIに人間的な感情を教え込むのかという内容なのですが、人間が持つ複雑な感情をAIに反映させる際にアートがどのような役割を持つのかということについての説明をしています。このプレゼンテーションの中では、語り手の話す『ノスタルジア(感傷的)』な話がどれだけ『ノスタルジア』なのかを採点するAIが説明されました。ナラティブなものに技術的なメスを切り出すのは、さすがアーティストって感じですね。

今後すぐに訪れるであろうデジタル化に対して、そのスタートアップの段階から人間性を反映させて(文中ではembedと表現していたが翻訳上の理由から反映に変えます)いきたいと語ってますね。それこそが人間性を表現する手法でもあるArtに着目する理由でもあるのでしょう。

 

How computers are learning to be creative

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=知性の拡張=

このプレゼンテーションを提供しているBlaise Agüera y Arcas さんはGoogleの科学者でもあり、3D技術を代表とし、情報技術の世界で非常に大きな影響力を持っていることで知られております。(当然、私はこの記事を書くまで知りませんでしたが笑)

ミケランジェロの『知覚と創造性は密接に結ばれている』という格言の引用から、現在AIのシステム構築の現場で応用されている理論について説明しています。

『知覚(perception)』と『創造性(creativity)』は対照的な存在でありながらも、その二つがセットになることで新しい発明が生まれるという解釈をしましたが。要するに人間がある事象を知覚するプロセスを研究し、そのアルゴリズムをコンピューターに応用させれば、さらなる発展が望めるのではないか、というプレゼンです。

にしてもめっちゃいい声でそっちに気を取られてしまった。。。

 

The incredible invention of intuitive AI

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=Welcome to The Augmented Age=

この動画はAutodeskの戦略的イノベーションの取締役を務めるMaurice Conti氏によるプレゼンテーションです。

彼はイノベーションが今後どのように世界を変えるのかを説明しておりましたが。産業製品を含む多くのもののデザインがDeep Learning system によって変化していくと述べてます。

そして、これまで人類が経験してきた、

Hunter-Gatherer Age(氷河期)

Agricultural Age(農時代)

Industrial Age(産業革命時代)

Information Age(情報時代)

に続き、今後はAugmented Ageという時代が始まると述べています。

技術の発展が人間の能力を拡張し、我々の創造性をより強化するという意味でしょう。

コンピューター自身が自発的にアルゴリズムを学習し、新しいデザインを創造していく過程が述べられていましたが。まあ今後はそうなっていくでしょうね。

 

Can a computer write a poetry?

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=Yes or No ?=

この動画のプレゼンテーターであるOscar Schwartz氏は詩人であり、動画の中では二つの詩を並べ、どちらがコンピューターのアルゴリズムによって創作された”詩”で、どちらが人間が創作した”詩”なのかを質問しています。

この動画の面白い点はプレゼンテーターが哲学科である点だと思います。

形式と意味が揃うことで事象が定義されるのであれば、コンピューターが文章を自発的に表現できたとしても、それはもはや詩としての価値がないのでしょう。

 

How AI can enhance our memory, work and social lives

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=AI is worth spreading=

最後はこの動画です。英語もわかりやすいですし、さらっとこれまでの動画の総括としてもみる価値はあるでしょう。

AIの持つ情報記録能力を使えば、あなたの記憶を増強させることもできると説明しています。

これは完全にAugmented Eraのプレゼント同じこと言ってますね。動画中では"Personal momory is a private meory"と言ってますが、オンラインでつながっているこの時代において、今後情報技術が発展した場合、共有される記憶、いわゆる"shared memory"なども生まれて来るのではないかと思わせる面白い動画です。

 

最後に

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これまで三つの動画をみてきましたが、AIとARTの関係性を調べることを目的として合計5つの動画を見てきましたがわかったことが幾つかあるのでまとめて見ます。

先に行っておきますが、当然、私のような初心者には手に負えない領域なので、私の主観による解釈です。

 

1:AIは我々の認知機能、創造力の領域を広げていく(Augmentation)

2:Artは人間の感情を表現する手段であり、Artへの理解、人間の感性の理解がAIの発展にもつながる。

3:テクノロジー人間性の境界がよりはっきりしていき、Artの定義がこれからはより重要視されていくのではないか。

 

AIに関しては一人の技術者として興味深いですね。まあ、政治なども絡めばそう簡単に既存の仕事が社会的になくなることはないと思えますが、死ぬまでにはAugmented Ageの最先端を体験したいものです。